Device Hub の使い方 - WWDC26 要約

はじめに

みなさん、こんにちは! 初めましての方は、初めまして! プロダクト開発部で TUNAG の iOS を開発しています、とんとんぼです。

この記事は、WWDC26 のセッション動画である「Device Hub を最大限に活用する方法」をまとめた記事になります。 WWDC(Worldwide Developers Conference)は、Apple が毎年開催する開発者向けのカンファレンスです。 新しい OS や開発ツールがここで発表され、2026 年の開催が WWDC26 にあたります。 Device Hub は WWDC26 で初登場し、iOS エンジニアだけでなく、iOS アプリ開発に関わるデザイナー、QAエンジニアなどにもぜひ使って欲しいと思い、まとめることにしました。

WWDC とは?

WWDC(Worldwide Developers Conference)とは、Appleが毎年6月頃に世界中のソフトウェア開発者や技術者に向けて開催する世界開発者会議のことです。同社の今後のソフトウェア戦略を占う最重要イベントであり、一般のApple製品ユーザーにとっても秋以降に登場する新機能を知るための注目のイベントとなっています。

developer.apple.com

Introduction

Device Hub は、Xcode 27 に同梱されるデバイス管理アプリです。 アプリをあらゆるデバイス、外観、テキストサイズで確認する作業を一つのアプリにまとめ、画面の確認から操作、設定の変更、診断の取得までをまかないます。 Xcode を起動していなくても単体で使えるため、対象はアプリ開発者にとどまりません。 さまざまな設定でテストする人や、デバイスのインベントリを管理する人も含まれ、実機とシミュレータのどちらでも同じように機能します。

Device Hub の概要

Xcode でシミュレータに対してビルドして実行すると、Device Hub は自動的に立ち上がります。 このとき開くのがコンパクトモードで、ライブ画面と最小限のコントロールだけを備えた軽量なウィンドウです。 下部のコントロールは表示中のデバイスに応じて変わり、Apple TV では再生と一時停止やナビゲーション、Apple Vision Pro では環境とカメラの操作、Apple Watch ではサイドボタンと Digital Crown が並びます。 上部の展開ボタンを押すとフルウィンドウに切り替わり、デバイスを制御、整理、設定する3つの領域にアクセスできます。 コンパクトモードでもフルウィンドウでも、実機とシミュレータで一貫した操作感が保たれます。

コンパクトモード フルスクリーンモード

Control

キャンバス

キャンバス はフルウィンドウの中央にあり、デバイスのライブ画面を映します。 クリック、ドラッグ、スクロール、トラックパッドのジェスチャーで直接操作でき、実機でもシミュレータでも同じように動きます。

キャンバス上部には、コンパクトモードにないコントロールが並びます。 ズームのほか、1対1の実物大表示にスナップして、現実の寸法でアプリを確認できます。 リサイズモードではアプリの寸法を自由に変えられます1。 キーボードキャプチャを使うと、Mac のキーストロークをデバイスへ直接送れるため、キーコマンドやハードウェアサポートのテストが楽になります。

サイドバー

サイドバー には、実機とシミュレータのインベントリが一か所にまとまります。 上部のフィルタで表示対象を絞り、複数の条件で並べ替えやグループ化ができます。 デバイスをコンテキストクリックすると、再起動やペアリングといったクイックアクションを呼び出せます。

複数のデバイスは、タブやスタンドアロンのコンパクトウィンドウで同時に開けます。 たとえばサイドバーで複数のシミュレータを選んでダブルクリックすると、それぞれのウィンドウが開き、画面サイズごとのアプリ表示を並べて比較できます。

インスペクタ

右側のインスペクタは、3つのタブに計5つのパネルを収めます。 デバイスの見た目や動作の変更から診断の確認まで、設定アプリを開かずにここで完結します。

  • デバイス設定:外観(ダークモードやテキストサイズ)、位置情報などの条件、オーディオを切り替えます。外観の変更は即座に反映されます

  • 診断レポート:アプリがハングまたはクラッシュしたときの調査の起点になります。クラッシュやスピンなど、デバイスが記録した診断情報が集まります

  • Info、Apps、Profiles:3つ目のタブにまとまります。Info はストレージや機種、シリアル番号を一覧し、Apps はアプリの管理とデータコンテナのダウンロードや置き換えを担い、Profiles は構成プロファイルとプロビジョニングプロファイルの両方を管理します

Reproducing a bug

セッション後半では、ワークアウトアプリのバグを題材に、これまでの機能を一つの調査の流れの中で使うデモが示されます。 実機側ではデバイスのペアリング、ログプロファイルのインストール、診断やアプリデータの取得を行い、その結果をシミュレータ側に渡します。 シミュレータ側では、同じアプリデータとデバイス設定をミラーリングしてバグを再現します。

横向き、特定の場所、最大のテキストサイズという複数の条件がそろって初めて再現するバグを、Device Hub だけで揃えて再現できる点が見どころです。 各操作の具体的な手順は文章で追うより画面で見たほうが分かりやすいため、詳細はセッション動画を参照してください。

devicectl

スクリプトや自動化には、コマンドラインツールの devicectl を使います。 Device Hub と同じ基盤の上に作られており、テスト環境でのデバイス管理、アプリ管理、診断の取得などに向きます。 デバイスの一覧表示、アプリのインストール、ダークモードとライトモードの切り替えのような設定変更、デバイス情報の取得ができます。 --json-output オプションで構造化された出力を得られるため、CI ワークフローへの組み込みが容易になります。

まとめ

Device Hub は、デバイスの画面確認から操作、外観やテキストサイズの変更、診断の取得までを一つのアプリにまとめ、実機とシミュレータを同じ操作感で扱えるようにします。 コンパクトモードは Xcode からの実行時にすぐ使え、フルウィンドウではサイドバーでインベントリを整理し、インスペクタで設定アプリを開かずに条件を切り替えられます。 横向き、特定の場所、最大のテキストサイズといった複数の条件がそろって再現するバグも、Device Hub だけで条件を揃えて追えます。 スクリプトや CI に組み込みたい場合は、同じ基盤の上に作られた devicectl を使えます。 Xcode を起動していなくても単体で動くため、iOS エンジニアに限らず、デザイナーや QA エンジニア、デバイスを管理する人にも役立つはずです。

参考文献

出典: - Get the most out of Device Hub(WWDC26, Session 260) - Device Hub を最大限に活用する方法 - YouTube


  1. リサイズ対応の詳細は「Modernize your UIKit app」セッションで扱われます。