なぜ雑談が重要か

これはなに?

こんにちは、リファクタリング大好きなミノ駆動です。2023年7月より株式会社スタメンにジョインしました。

コミュニケーションには会議体やテキストベースなど様々な手段があります。 その中で雑談がなぜ重要であるかについて、私の考えを記したものです。

大事な前提 〜目的と手段の関係〜

人々の活動には目的があります。そして目的を満たすための手段を追い求めています(ここでいう手段とはシステムであったり情報であったり、「目的の役に立つもの」と考えてください)。

目的と手段の関係性を次の図で表現します。目的と手段それぞれの円の重なりが大きいほど、目的に対して相応しい手段である、ということをここでは表します。

この図を使った例を出します。 今の時期、だんだん暑くなってきましたね。「暑さを解消したい」という目的に対して、「扇風機を点ける」「エアコンを点ける」「かき氷を食べる」「南極に送り込む」などの手段が考えられます。

おや?

上図では「暑さを解消したい」という目的に対して「かき氷」という手段はあまり重なっていません。どうも相応しくない手段のようです。暑いと感じている人に詳しい事情を尋ねてみると「最近冷たいものを食べ過ぎちゃってさ、お腹の調子が良くないんだよ。食べ物以外で涼めるものがあればなぁ」という回答でした。

この人にとっては「胃腸に負担をかけずに暑さを解消したい」が真の目的だったのです。この目的に沿うようエアコンを提供したところ、目的が満たされました。

この関係性はソフトウェア開発も同じです。

例えば弊社スタメンの主要サービスTUNAG(ツナグ)は、企業のエンゲージメントの構築、つまりお互いを知って理解し、信頼し合う組織を作るための社内コミュニケーションを活性化させるプロダクトです。「エンゲージメントを向上させる」目的を満たす手段としてプロダクトを開発しています。よりこの円の重なりが大きくなるよう機能開発や機能改善が図られています。

ここまでが前提です。 ここから先が本題です。

会議体だと重要な情報を得にくい

私の生業はソフトウェア設計ですが、仕事柄、正確な設計には顧客課題や顧客要求など、ビジネス面の様々な情報を必要とします。そのため、PdMのほかビジネスサイドの皆さんへの相談やインタビューを必要とします。

こうした「何らかの重大な判断に必要な情報を収集する活動」は、別に私に限らず皆さん普段から当たり前のように実施されていると思います。 しかし私の経験上、会議体での相談やインタビューで「本当にほしい重要な情報」を得られた経験があまりありません。

そうではなく、雑談でふとした拍子にポロッと出てきたセリフに重大な情報が含まれていた経験が圧倒的に多いです。それはなぜでしょう。

意図せず重要な情報が削ぎ落とされてしまう

会議には必ず目標を設定します。「◯◯について意思決定する」「◯◯について認識を合わせる」などです。

ここでは「目的Aに関して意思決定する」を会議の目標とします。さて、このとき何が起きるでしょうか。

会議の目標を効率的に達成できるよう、会議の参加者は、目的Aに沿った準備をします。また、目的Aに則った会話が交わされます。つまり、様々な情報の内、目的Aに沿ったものだけが話題に上がり、それ以外の情報は削ぎ落とされます。

一見効率的で正しいアプローチのように思えます。ところがそうではありません。

顧客が本当に必要だったもの

有名な「顧客が本当に必要だったもの」の図(Tree Swing Cartoon Pictures (early versions)より引用)。

この図に揶揄されるように、顧客の本当の要求が何であるのか、プロダクト開発において常に考え悩ませるものです。そのため我々は仮説検証やABテストなどを実施して顧客の真の目的を探りに行きます。

そして真の目的が本当は目的Bなのにも関わらず、偽の目的Aが真の目的だと勘違いしていることが往々にしてあります(そもそも顧客の真の目的がはじめから分かっていたら誰も苦労しない)。

偽の目的Aをテーマに据えて会議を進めた場合、目的Aに関する情報は話題に上がりますが、真の目的Bに関する話題は削ぎ落とされてしまいます。会議の効率化が仇になって、本当に必要なものが手に入らない、または入りにくくなってしまうのです。

雑談では「情報の悪しき削ぎ落とし」が生じにくい

一方で雑談は特定の目的がありません。そのため、さまざまな情報が話題に上がりやすくなります。会議体で陥りがちな「意図しない情報の削ぎ落とし」が生じにくくなります。

このような特性があるため「話者にとって重要だとは認識していないが実は重要な情報」がポロッと話題に上がり、判断精度の劇的な向上に貢献することになるのです。

おわりに

以上解説しましたように、弊社スタメンでは雑談の効能を重要視しています。そしてサービスの改善革新や質の向上に役立てています。

弊社スタメンはTUNAGを中心に右肩上がりの成長を続けています。

そしてこの成長をさらに促進させるためにサービスの設計戦略を策定し、推進していく計画です( 詳しい戦略はこちら、『スタメンの技術的負債解消戦略』 )。

2023年12月期 第1四半期決算説明資料 より

この勢いで弊社スタメンはさらなる事業拡大を目指し、採用活動をより活性化していきます。現在従業員数は約80名。今の規模の2倍、3倍、5倍とスケールさせていきます。

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