こんにちは 株式会社スタメンでCTOをしている小林です。
今回、スタメンのコーポレートサイトがリニューアルされるに伴い、スタメン開発チームのブログを開設しました。ちょうど年末ですし、良い機会なので創業してからの1年半を振り返って見たいと思います。
創業するまでの振り返りは、CTOと主夫を二人三脚するエンジニアが名古屋で創業するまで を御覧ください。
創業時の計画とミッション
2016年8月の創業時に、自分自身のミッションとして下記と捉えていました。
- 創業プロダクトのTUNAGを創ること
- ビジネスモデルを理解し、必要な機能の絞り込みと将来の発展性の予測。
- インフラ、アーキテクチャの設計と実現に向けた技術選定。
- エンジニアとして、設計、実装、テスト、インフラ構築を行いリリースすること。
- エンジニアチームを創ること
- エンジニアチームのビジョンを考える
- 採用や育成の方向性の策定
- プロジェクトマネジメントとラインマネジメント
- エンジニアとして経営参加すること
- 経営の意思決定にエンジニア的な視点を加えること
- 開発力と営業力の双方を会社の強みにすること
- 家庭と仕事を両立すること
- ライフワークバランスの一つのカタチを皆さんに提示すること
- 仕事について、家庭を言い訳にしないこと
- 家庭について、仕事を言い訳にしないこと
実際にやってみてどうだったか
創業プロダクトのTUNAGを創ること
創業プロダクトのTUNAGは、エンゲージメント経営を支援することを特徴とした社内SNSです(詳細はこちらを参照)。スタートアップベンチャーは、とにかく構想をカタチにしないと意味がありません。創業CTOの最初の仕事はサービスを作ることです。
創業直後は人も、お金も、時間もかけられません、速く確実に創るために、以下のことを行いました。
- ビジネスモデルをCEO加藤とCOO大西とディスカッションして深く理解する。
- 経営陣が同じゴールとサービスイメージを描けることが大切。
- コンセプトを画面や仕様まで具体化し、リリースまでの道のりを描く。
- 必要な機能と工数を概算して、採用計画とスケジュールを決め、事業計画に反映する。
- サービス全体の設計を行い技術選定を行う。
- 自身にノウハウがあり確実に速くサービスを実現できる技術として、Ruby on Rails と Amazon Web Service を技術の中心に決める。
- ひたすらコーディング。同時に細部の仕様を決めていく。
結果、当初想定した創業半年後の2016年2月に最初のリリースを行い、現在に至るまで改良&運営を続けています。
これまでの SNS や ECサイトを作ってきた経験がサービス全体の設計や技術選定等で大いに活き、全体的なアーキテクチャは当初予定から大きくずれることなく実現し、現在でも拡張し続けています。これまでの各社での経験が各所で活きました。まさに Connecting The Dots で不思議なものです。
ただ、当初約半年(27週間)と見積もった開発規模は、リリース時期こそ見積もり通りとなりましたが、これは結果で、実際には社外の知り合いに助けてもらったり、エンジニアを採用するなどして、開発リソースを当初予定より大幅に増やしたことでやっと間に合ったのでした。
事業は構想段階では抽象的で曖昧で、実装する過程で具体的な仕様にしなければなりません。同時に、仕様を考えたり、作ってみると足らない機能に気づき工数が増えてスケジュールが遅れます。マクロにサービスやスケジュールの全体像を俯瞰しつつ、ミクロにUIや機能を作り込む必要があります。こういうとき、タスクが増え過ぎたり、並列すると生産性が落ちます。やらないこと、忘れても良いことを意図的に決めることをいつも意識しました。
また、30代に入ってからはコーディングする時間よりは、マネジメントする時間が多かったのですが、この1年半はこれまでで一番コードを多く書いた日々でした。コーディングすることの面白さや奥深さを改めて実感し、もっともっとエンジニアとして成長したい(しなければならない)と感じています。プログラマの35歳定年説なんてスタートアップベンチャーには全く存在しません。ガンガンコードを書きましょう。
TUNAG の技術的な詳細や、開発環境、開発プロセス、利用しているツールなど、ここでは書ききれない内容がたくさんあります。今後このブログでご紹介していきたいと思いますので、興味を持っていただけましたら幸いです。
エンジニアチームを創ること
スタートアップベンチャーにとって採用は非常に大切なミッションです。どれだけ頑張っても一人で開発できる規模は限界があります。仲間が集まらなければ事業を大きくすることはできません。TUNAG の開発と平行して、開発チームの立ち上げも行いました。
スタメンのエンジニアを採用にするにあたり、下記を重視してきました。
- 仕事についての価値観
- 何かしらやり切った経験
- エンジニアリングについての熱量
仕事についての価値観は、仕事を通して何をしたいのか、日々仕事をすることをどう捉えているかなど、仕事についての人生観です。
スタメンは毎日終電が続く会社ではありませんが、プロジェクトの終盤などではどうしても忙しくなる時期もあります。また、新しい分野での事業や、未経験の技術を用いた開発では、うまく行かないことも多々あります。だからこそ、創業期のベンチャーでは、何事も積極的に、主体性を持って取り組み、日々の挑戦を楽しむことができることが重要です。
何よりそういう人たちと一緒に仕事することは楽しく、互いに切磋琢磨することで強いチームになります。
また、上記のような価値感はある日突然できるものではないと思っています。子供の頃の体験、学生時代の勉強、アルバイト、部活や、社会人になってからの仕事など、趣味、スポーツ、仕事、何かしらにひたむきに取り組み、成果がでるまでやりきった経験をお持ちの方が多いと思います。面接の場では過去に熱心に取り組んだ経験についてお聞きすることが多かったです。
そして、仕事の価値観がベンチャーに合い、何かしらやりきった経験がある方が、エンジニアとしての仕事に対して熱意やこだわりを持っている場合、本人の成長と会社としての成果が重なって WINxWIN な関係を築けると考えています。
そんな感じで採用活動を続けた結果、私含めてエンジニア4名、フロントエンジニア兼デザイナ1名の計5名のチームになりました。
開発チームに限りませんが、ピンチを救うように助っ人が登場したり、既存メンバーが急成長して乗り切ったり、まるでバトル系の少年マンガのようにチームが育っていきました。こんな創業直後の小さい会社に飛び込んできてくれた現在のメンバーに感謝するばかりです&今後もよろしく。
ベンチャーにとって人材は非常に重要です。いい人がいれば良いサービスが生まれますが、良いサービスであっても良い人がいなければ廃れてしまいます。
引き続き採用は最重要なプロジェクトで、来年も積極的に採用していきます。創業期の小さなチームでの仕事はエキサイティングで楽しいだけでなく、非常に濃い成長の機会となります。興味を持っていただきましたらぜひ下記よりご応募ください!!
エンジニアとして経営参加すること
エンジニア的な観点で経営の意思決定に参加すること。と書いてみましたが、これが何を意味するのかを簡潔に書くには自分自身の経験は浅いと感じます。
ただ、自分自身がこうありたいという姿は、過去接してきた尊敬する先輩CTOの方々に重なります。先輩方に共通するのは、会社を運営する際の様々な場面で技術的な観点で組織や事業の将来を語り、意思決定に寄与し、実現に導くリーダーシップと行動力でした。エンジニアとして、経営メンバーとしての全幅の信頼であり、私もそうありたいと思っています。
スタメンの経営理念は「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」です。
この理念を実現するため、TUNAGを始めとした様々ななサービスを提供していきますが、有望な事業(案)を技術不足を理由に諦めたり、伸ばしきれないことが無いように、強い開発チームを作っていく必要があります。
エンジニアチームの実力が、その会社の事業の上限を決めると思います。スタメンの可能性を広げるためにも、まずは私が先陣を切って、TUNAG の普及に貢献し、エンジニアのロールモデルでありたいと思ってます。
家庭と仕事を両立すること
創業のときに書いた CTOと主夫を二人三脚するエンジニアが名古屋で創業するまで では、下記のように書きました。
ベンチャーでの仕事はハードワークが続きますが、必ずしも深夜残業や休日出勤だけが解決策ではありません。いままでよりも、計画的に、効率的に、これまでの経験を活かして最大限生産性を高めることで成果を出し続けたいと考えています。また、各種クラウドツールの発達により、自宅でできる業務も随分広がってきました。こういったツールを使うことによって、夕方早めに帰宅しても、夜に開発や打ち合わせに参加することもできます。こうやって家庭と成果の最大化を両立することが私のライフワークバランスです。 家庭を妻に任せて一心不乱で仕事することよりも、若さに任せて不眠不休で仕事することもよりも、家庭と仕事を両立しながらベンチャーで成果を出すことは難しいように思えますが、家庭があっての仕事ですし、仕事の先に家庭が崩壊するならば大きな後悔が残ると思います。何よりも、良いエンジニアでありながら、良いパパでいたいですし。 これまでとは違った難しさ、苦労があるかと思いますが、これを乗り切れたら全部ハッピーだと思ってがんばってみたいと思っています。
創業直後は、家庭と仕事の思考の切り替えに苦労したものの、徐々に切り替え&両立に慣れてきました。これはスタメンに仲間が増えて、信頼して任せられるようになったことが大きいです。いつもありがとう。
想定外としては、スタメンが現在のオフィスに移転し、オフィスにキッチンができてからは、たまにオフィスで料理してます。凝り性なので、料理するからには真面目に作るんです。ちゃんと主夫もしてますよ!とアピールする絶好の機会になってます。「小林の料理が食べたい!」という人は、ぜひスタメンに入社してください! 入社祝いを作ります!
まとめ と これから
スタートアップに転職するのと創業に関わるのは違う。創業以来、何度も思いました。
これまで5社のベンチャーで仕事をしてきましたが、前任者が方向性を示したことを拡張していくのと、ゼロから決めるのは違いました。技術選定、仕様策定、チームの立ち上げ、すべてをゼロから始める。真っ白いキャンパスに最初の線を描くような緊張感がありました。
でも、ほんと様々なことについて、これまでの仕事での経験、出会ってきた人々からの教え、スタメンに入ってきてくれた社員の貢献に助けられました。さらに、TUNAG を導入してくださったお客様の皆様には、本当に多くの勇気や学びを頂いています。TUNAG を始めとしたスタメンでの仕事で、頂いたご恩を少しでもお返しできるように、地道に頑張っていきたいと思っています。
最後に、この業界に入ってからずっと目標としていることがあります。それは、IT業界のエンジニアが以下の三冠になることです。
- 子どもたちが将来なりたい職業。
- 彼氏/彼女にしたい人の職業。
- 結婚したい人の職業。
これ本気です。エンジニアには、それぐらい夢も希望も理想もある職業だと思います。世のエンジニアがもっと楽しく、良い仕事をして、世に貢献して、社会から評価されることで、幸せになって欲しいと思います。そのためにも、まずはスタメンのエンジニアがこれを実現できるように、経営者として、エンジニアとして恥じない仕事をしたいと思ってます。
スタメンは、創業してまだたったの1年半です。経営理念の「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」は、まだまだ全然実現できていません。やりたいこと、やるべきこともたーーくさんあります。もっとたくさんの頼もしい仲間が必要です!
少しでもスタメンに興味を持っていただけましたら、株式会社スタメンの最新情報 - Wantedly で、スタメンでの仕事をもっとよく知っていただきご応募いただけないでしょうか! よろしくお願いします!
というわけで、スタメンのエンジニアブログとして、創業以来の1年半を振り返ってみました。
今後、各メンバーから、様々な記事を書かせていただき、スタメンでのエンジニアライフをご紹介したいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します!