こんにちは。スタメンでエンジニアリングマネージャーをしている @temoki です。
私がスタメンに入社した2年前、プロダクト部のエンジニアは10人くらいでしたが、現在はその倍以上のメンバーとなりました。 その中にはエンジニアだけではなく、ディレクター、デザイナーなど、職種も多様になってきています。 そして提供するサービスの規模もどんどん拡大しており、新規事業も立ち上がるなど、プロダクト部でのプロジェクトの難易度がどんどん上がってきているのを感じます。
こうなると、プロダクト部のメンバー全員がプロジェクトマネジメントを意識して振る舞えるかどうかがプロジェクト成功の重要なポイントなってきます。 私はエンジニアとして入社していますが、それ以前のキャリアとしては受託開発でのプロジェクトマネージャーをしておりましたので、社内でプロジェクトマネジメントに入門するための勉強会を開催しました。
今回から数回に分けて、その勉強会で話した内容について書こうと思います。 まず初回は、プロジェクトマネジメントに入門する前に知っておいてほしいことがテーマです。
プロジェクトとは?
プロジェクトマネジメントは当たり前ですが、プロジェクトのマネジメントのことを指します。 プロジェクトマネジメントについて学ぶ前に、それぞれの言葉の意味について考えてみることから始めたいと思います。
まずは プロジェクト です。仕事を進める上でこのプロジェクトという言葉をよく使うと思いますが、そもそもプロジェクトとは何なのでしょうか? みなさん自信を持って人に説明することはできますか?
プロジェクトの定義
プロジェクトの定義はたくさんあると思いますが、そのうちの1つがこちらです。
独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務
これは、ワールドワイドでプロジェクトマネジメントの標準策定などを行っているプロジェクトマネジメント協会 *1 が発行する PMBOK *2 による定義です。
プロジェクトの3大要素
私はこのPMBOKの定義はやや難しいなと感じています。そこで、この定義を噛み砕いて次の3つ要素を抽出してみました。
- 達成すべき 独自の目標 がある
- 期間 が決まっている
- 集団 で活動する
PMBOKの定義の前半「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するため」というのを単純に 独自の目標 と表現し、これは達成すべきものであるとしました。
次はあまり聞き慣れない「有期性」ですが(「ゆうきせい」と入力して変換しても出てきませんね)、これは 期間が決まっている という意味です。
最後に残った「業務」は、職業や事業などに関して日々継続して行う活動のことです。一般的に職業や事業に関する仕事は、複数人で行うことがほとんどであるのと、プロジェクトマネジメントにおいて複数人で行うことを前提とした取り組みが重要なポイントになるため、あえて 集団で活動する としてみました。
この抽出した要素でプロジェクトを定義してみます。
独自の目標を達成するために、決まった期間の中で、集団で活動すること
いかがでしょうか。プロジェクトという言葉のもやもやが晴れてきたのではないかと思います。
マネジメントとは?
プロジェクトの次はマネジメント (management) です。 早速ですが management の動詞である manage をGoogle翻訳で調べてみましょう。
manage = 管理する
manage by Google翻訳
これがGoogleの教えてくれる現時点での結果です。当たり前すぎて調べるまでもないと思われたかもしれません。
しかし、これは実は違います。以下が Weblio の結果です。
manage = どうにかしてする、うまくする
manage by Weblio
ちょっとびっくりする内容ではないでしょうか。 日本人の多くが manage を 管理する と理解していることで、機械学習ベースのGoogleの翻訳もそう理解してしまっているのかもしれません。
Weblioにはさらにこのような記述があります。
「(馬)を手なずける[調教する]」が原義.時に 困難な状況で「なんとか対処する」こと を表す
「管理」はスマートさや、堅苦しさを感じる言葉なので、自然とマネジメントという言葉にも同じ印象を受けます。 しかしながら、実際には 困難な状況でなんとか対処する というような、とても泥臭い印象の意味をもっているのです。
まとめ
プロジェクトとは 独自の目標を達成するために、決まった期間の中で、集団で活動すること です。 プロジェクトというのはとても困難であることが多いと思いますが、これを なんとか対処して 目標を達成することに導くのがプロジェクトマネジメントなのです。
今回は プロジェクトマネジメント入門以前 というテーマで、プロジェクトマネジメントとは何なのかをお伝えしました。 おそらくこれまでの認識に変化があったのではないかと思います。次回は プロジェクトマネジメントちょっとだけ入門 というテーマで、プロジェクトを なんとか対処する 部分について書きたいと思います。
最後になりましたが、スタメンでは自社プロダクトの開発プロジェクトを一緒になんとかしてくれる仲間を募集しています。興味を持ってくれた方は、ぜひ下記の採用サイトをご覧ください。
*1:Project Management Institute
*2:A Guide to the Project Management Body of Knowledge / プロジェクトマネジメント知識体系ガイド