Designship 2019で得た3つの学び

スタメンのデザイナーの @kiyoshifuwa です。

先月、Designshipに参加してきました! セッション内容についての記事はすでに登壇者や参加者の方が出されていますので、本記事では特に印象に残った3つの学びについてお伝えします。

1.「あったらいいな」はやらない

popIn株式会社 北村 崇さん「世界初を支えるデザイナーが考えること」のお話の中で、「あったらいいな」はやらない という話がとても印象に残っています。

開発を進めていく中で、あれもこれもやりたいというアイデアが色々出てくるのはよくあることです。しかし、安易に「あったらいいな」をやり始めてしまうと、「じゃあこれもやろう」「どこまでやるのか」などの議論が始まり収集が付かなくなります。 たくさんの仕事を限られた時間・リソースの中で順序よく進めるためには、「やるべきこと」を優先順位付けして進めていく必要があります。 これまでは、なにを基準に「やる」「やらない」を決めてよいのか自分の中で判断基準がなく、その都度プロジェクトマネージャーに判断を任せてしまっていました。

今回のセッションを受け、「やるべきこと」はやる、「あったらいいな」はやらないという明確な判断の軸が自分の中で生まれました。 また、「派生でできたもの」や「おまけ機能」はユーザーに取って必ずしも「親切」ではなく、かえって「不慣れ」を生み出し「不安」にさせてしまうことがあることも知りました。

それからは、「あったらいいな」が出てきたら、以下のふるいにかけて「やる」「やらない」の判断をするようにしました。

  • それはユーザーに求められていることなのか
  • やらないと機能しないような重大な要素なのか
  • 私たちの意志を込めることにおいて重要な役割があるのか
  • 優先度が高い他のものを後回しにしてまで今やる必要があるのか

 

「開発途中で出てきたアイデアは全部無視!」ということではなくて、 やるべきだと判断したことは「あったらいいな」から「やるべきこと」に明確に格上げする必要があるということです。 自分の中で判断の軸がしっかり定まったことは、とても大きな収穫でした。

👇このセッションで学びました

“世界初”を支えるデザイナーが考えること popIn株式会社 北村 崇さん スライドはこちら

 

2.考え方を考えてから考える

 

グロービス経営大学院の論理力向上ワークショップに参加し、 「洗濯機の販売利益を上げるための施策を5分以内にたくさんリストアップする」という演習をしました。

私が参加したグループでは、とにかく急いでたくさんのアイデアを出さなければ!と、みんなで闇雲に思いついたアイデアを連ねていきました。その結果、途中でアイデア出しが止まってしまいました。

また、包含関係にあるアイデアを並列に扱うなどしていたので、後から情報を整理して発表をすることが大変になってしまいました。 この演習で想定している最終的なゴールは、「アイデアをたくさん出す」ことではなくその先の「施策を提案し、洗濯機の販売利益を上げる」ことですが、そこまで考えが至っていませんでした。

一方、アイデアを効率的にたくさん出していたグループは

  • この洗濯機が抱えている課題を想定する
  • 「販売利益」とはなにを指すのかの確認

など、前提からしっかりメンバーで認識を合わせ、効率よく考えてイデア出しを進めていました。順序立てて考えられているので、説明もとてもわかりやすかったです。

なにも考えず闇雲に進めていくよりも、課題や前提をしっかりと認識し、「考え方を考えてから考え始める」方が

  • 無駄がなく効率よく進められる
  • 主観や経験によって偏らない
  • 説明がしやすい

などのメリットがあることをこの演習で学びました。 このような内容は座って話を聞いているだけではイメージが湧かず「ふーん」で終わってしまいそうですが、失敗を経験したことで自分の中で深く印象に残ったので、実践形式で学べてとても良かったと思います。

👇このワークショップで学びました

【少人数限定】デザイナーのための論理力向上ワークショップ by グロービス 詳細はこちら

 

3.「優しいデザイン」=「使いやすいデザイン」だけじゃない

クックパッド株式会社宇野 雄さん「月間5,400万人を支えるユーザ体験への想いとその現実」は、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを実現するために、現実に対して「優しいデザイン」と「おせっかいなデザイン」という概念を用いているというお話でした。

「優しいデザイン」の例のひとつとして、「今月は10回も料理したよ」を「今まで10回も料理したよ」と表現するというお話がありました。

前者の「今月は10回も料理したよ」は、きちんとできたことを可視化して肯定しているのはとてもよいのですが、「21回料理しなかった」ことも可視化されてしまいます。 なので、あえて「今まで10回も料理した」という積み上げだけを伝えています。 事実は変わりませんが、「料理をしたこと」のみを伝えるようにしています。

「ユーザーにとって優しいデザインを作ること」が大切だということはもちろん理解しています。ただ、私の中には優しくする手段が「ボタンを押しやすくする」、「イラストで説明する」など、使いやすく・わかりやすくすることしかなかったので、ことばの表現や図の表現を変えるという手段は目から鱗でした。 それぞれのサービスのユーザーにとって優しいことは何なのかを考え、ことばや図を含め最適な表現をしなければならないと思ったセッションでした。

👇このセッションで学びました

月間5,400万人を支えるユーザ体験への想いとその現実 クックパッド株式会社宇野 雄さん noteはこちら

 

さいごに

2日間 朝から夕方までインプット漬けで大満足のDesignship2019でした。 凝り固まっていた考え方が柔軟になり、一歩レベルアップした実感があります。 気になった項目があれば、こちらで映像が配信されていますので ぜひご覧になってください!

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